2011年5月3日火曜日

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初級文法をどのように整理すれば良いのか?

u   形式的に難しいもの

u   語用論で問題を起こしそうなもの

u   必要性の低いもの

        

 これらをシラバスからはずす。

 つまり、初級学習者に教えない

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その結果

l 学習者の負担を軽くできる

l 効率がよくなる

効果的な学習になる

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Ø まず、やりもらい表現*のうちで「~てあげる」 ~てさしあげる」 ~てくださる」 ~ていただく」を初級者に教えないこと。

Ø ~てくれる」を「~てもらう」よりも先に教えるべき。

持ち主の受身以外の間接受身を初級シラバスからはずす。

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「走らせる」と「食べさせられる」のような使役動詞や使役受身動詞は:

u 必要性が低い

u 語用論しやすい

Ø なので初級者には教えるべきではない。

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~(さ)せてくれる」と「~(さ)せてもらう」は:

Ø 形式的に非常に難しいので

Ø OPIの初級者でも使いこなせない

   なので初級者に教えるべきではない。

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Ø 「お待たせしました。」 

Ø 「自己紹介させていただきます。」

 教えるとしたら、定型表現として教えればよい。筆者としては「理解」できれば十分。

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Ø 初時期の言語研究をみていくと、「母語」からの影響がもっとも大きいと歴史的に思われていた対照分析仮説を紹介した方が良い:

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Ø 「対照分析仮説(contrastive analysis hypothesis)」は, 母語と目標言語との対照分析を通じて, 学習者の誤りを予測することができるとして一時注目をあびたが, 期待通りの成果を収めることができず, こうした挫折が契機となり, 学習者の誤りを研究する「誤り分析(error analysis)」が本格化した」

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¨ 母語に目標言語と同じ様な文があっても、学習者にとっては決して覚えやすいとは言えない。

筆者によると母語に同じ様なものがあっても、自分の言語と違うものやインパクトのあるものの方がチャレンジ精神を引き起こすので、新しい講文を一般化して使ってしまうことがよく見られる。

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ü 学習者は、新しい言語を学ぶためにさまざまなストラテジーを使用する。

(プリント参考)

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u 初級者が「~が」や「~けれども」を使うほうが自然な場合に、「~のに」を使っていることがある。

¨ 例(42):Mさんは英語で話せなかったのに,「目語」で話しました。

~のに」の習得が難しいので初級者に教えるべきではない。

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u 初級者が「~は」よりも、新しく学んだ「~なら」を使った例。

¨ 例(45):インドネシア人はからいものが好きですが、わさびなら、あまり好きではなさそう。

~なら」が「~は」と混同する可能性があるので初級者に教えるべきではない。

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Ø 回避行動

ü 問題を無視したり避けたりする。

ü 回避(わからない語や表現を使わない)

ü 話題転換(理解できない発言に関わらないように           話題を変える)など。

http://iwatenihongo.blog50.fc2.com/blog-entry-51.html

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u もう一つのストラテジーは代用ストラテジーである。

Ø 代用ストラテジーは普通語彙や表現形式の不足を、別の表現形式を使って補おうとするものである。

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Ø 初級の段階で「 ~て」の用法を学ぶ。その結果、困ったときに代用ストラテジーとして、「~て」を無意識的に使ってしまう例が多く見られる。

u (47):もし、インドネシアで東京のような電車があって、楽しむです。(初級者の例)

(48) 私はどうしても、親から決められたルールの中に閉じ込められている子供を見て、腹が立つ。(上級の例)

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多くの研究によると繰り返し練習のせいで、さまざまな接続形式に代用できる現象を起こしやすいと言われている。

ü 「~て」、これは自然には修正されていかないのだろうと。

u 自然には修正されていかないものは、言語学で「化石化」とも言われる。

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¨ 化石化というのは英語研究から出た専門用語である(fossilization)

¨ 外国語学習者が外国語を習得している段階でおこる、ある特定の言語項目や規則が誤って習得され、その誤用がそのまま定着してしまう現象。

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u セリンカー(Selinker)は、化石化を起こす原因として以下の5つをあげています。(以下、『新版日本語教育事典pp.699-700より。)

¨ 1.言語転移:
 目標言語の習得に学習者の母語や既習言語が影響を与えること。次の例は英語の「on the table」を適用して語順を間違えたと推測される。
 (例)本は上の机(→机の上)です。

2.訓練上の転移:
 教室指導や訓練が影響を与えること。次の例は質問内容を繰り返して不自然な対応をしており、教室での文型練習の影響が推測される。
  (例)A:夕食の後は、いつも何をしていますか。
     B:夕食の後は、いつもテレビを見ています。

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¨ 3.過剰般化(過剰一般化ともいう):
 目標言語の1つの規則や意味的特徴を異種類の項目に適用させること。次の例は「楽しい」の過去形を産出する際に、「有名だった」「休みだった」と同様に、「だった」を付加したと推測される。
  (例)きのうの映画は楽しいだった(→楽しかった)。

¨ 4.学習方略(学習ストラテジーともいう):
 学習者が目標言語を学習する際に用いる方略によって起こる。次の例は「ある」の存在動詞はつねに「が」がつく(または「は」の次に「が」が来る)と覚え、「があります」を産出したと推測される。
  (例)熱は38度が(→φ)あります。

5.コミュニケーション方略(コミュニケーション・ストラテジーともいう):
 目標言語話者とのコミュニケーションにおいて用いる方略によって起きること。次の例はコミュニケーションをスムーズに行おうとして、選択に迷う助詞の使用を回避したり、特定の助詞を多用したりしていると推測される。
  (例)先週φ、私φ、新幹線φ、乗りました。
     先週に(→φ)私は、新幹線は(→に)乗りました。

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¨ 「国際結婚して半永久的に日本人の隣人として生活していこうとしている人たちである。しかし、ある程度日常会話の日本語ができるようになると、本人たちが「間違っていたら、直してもらいたい」と希望するにも拘わらず、内容が通じれば周りの日本人は誤用を訂正しなくなる。そのため間違ったままの日本語が定着してしまうことが多い。

ある論文によると、学習者が自らの間違いを周りの日本人に指摘してもらう機会を意図的に作ることで、日本語の発話、文法や言葉使いを訂正してもらえる環境ができるという。

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u 今まで、日本語教育の初級段階では「 ~と」「 ~ば」「 ~たら」「 ~なら」が教えられてきた。

¨ しかし、OPI学習者でもそのうちの「 ~たら」のみを正しく使えるようになった。

しかしながら、「~たら」は代用ストラテジーとして「~ても」の変わりに間違えて使われている例もある。

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u 初級者が「~たら」を代用ストラテジーとして「~ても」の変わりに間違えて使われている例もある。

p (51): 独身生活はあまりよくないと思います。生活も寂しいしつまらない時にだれもいないし、問題があったら相談もあまりできません。

~たら」は初級の文法には適しているが、以前セットとなって教えられていた「~ても」や「~と」 ~ば」 ~なら」は初級者に教えるべきではない。

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u -ディオリンガル・メソッド
Audio-Lingual Method

ü オーディオリンガル・メソッド(ドリルを繰り返

 して聞きながら文法のパターンが身につくメ

 ソッド), 教授法に対する熱が冷め, 研究の視点

 が今現在、流行っている「コミュニ ティブ・アプローチ」に変わった.   

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u 高校生のときの経験

Jorden,Eleanor Harz & Noda, Mari (1987). Japanese, The Spoken Language: Part 1. New Haven, CT: Yale University Press.

Ø 日本語は言語として英語よりもパターンが多いと思うし、オーディオリンガル・メソッドの人気がなくなった頃には、研究は今ほど盛んでなかったので、日本語教育とオーディオリンガルについての研究は行ってはいたが、大規模研究ではなかったため、わたし自身としては疑問が残っている。

Ø 特に聴覚情報からの(耳で覚える)学習者にとっては役に立つと思う。

Ø             (例を聞く)

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Lexical approachは、基本的に語彙や語と語の結びつきを中心に据えて言語教育を行おうとします。これは、言語学などで次第に語彙というものの重要性が高まってきたこととも大きく関係しています。Approachに関しては、”運用 “chunks”の形での習得が望ましいとする提案の形にした。という前提があり、同時にコロケーションを重視します。

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論文・本:

野田尚史 (2005).「コミュニケーションのための日本語教育文法」くろしお出版。

庵功雄 高梨新乃 中西久実子 山田敏弘 (2000). 『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』スリーエーネットワーク.

. (2005). 高校における語彙指導の在り方に関する考察ーコーパス言語学を利用した指導ー。山梨県総合教育センター。 http://www.ypec.ed.jp/center/kenkyukaihatu/kiyou/H18/endo.pdf

青柳, 妙子. (2008). 定住外国人自立した学習目指した : りの日本人習慣をつくるテキスト / -- 山形大学国際センター山形大学留学生教育と研究 = Yamagata University working papers in international education Vol.1 p.55-64 雑誌掲載論文。

グループ・ジャマシイ編著(1998)『日本語文型辞典』くろしお出版

Henning, C (ed) (1977). Language-learning strategies: theory and perception, ELT Journal, 55/3, 247-254.

Lado, R. (1957). Linguistics across cultures: Applied linguistics for language teachers. University of Michigan Press: Ann Arbor.

Samimy, K. K. (1989). "A Comparative Study of Teaching Japanese in the Audio-Lingual Method and the Counseling-learning Approach." The Modern Language Journal, 73 (ii), 169-177.

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初級の教科書:

グループ・ジャマシイ(2003)。『日本語文型辞典』くろしお出版。

安藤栄里子 (2008)。  『耳から覚える日本語能力試験文法トレーニング3級』  アルク出版。

TIJ東京日本語研修所 (2007) 『はじめよう日本語 初級2 ドリルと文法』 スリーエーネットワーク 出版。

趙福泉 (2005)。 『基礎日本語文法』笛藤出版。

星野恵子 (2000) 『自己採点式 日本語テストステップアップ問題集 上級 アルク出版。

Jorden,Eleanor Harz & Noda, Mari (1987). Japanese, The Spoken Language: Part 1. New Haven, CT: Yale University Press.

Jorden,Eleanor Harz & Noda, Mari (1990). Japanese, The Spoken Language: Part 3. New Haven, CT: Yale University Press.

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ウエブサイト:

廖香蘭 謝孟芬 張慧貞; 華語文教學研究所 在職碩士班,第二語言習得 期末小組報告, (2010) 指導教授:曾金金 老師

李曉鳳、初級活動教學 詞彙篇-詞卡運用: http://mandarin.nccu.edu.tw/data/teacher/980513l.pdf

教育学・文学理論・言語理論の接点でもがく研究者の読書日記:http://takayukinishihara.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/index.html

第二言語習得研究の歴史: http://jsl-server.li.ocha.ac.jp/morishin1003/rep3.html

第二言語習得 (second language acquisition: SLA) に関する用語集 (20098月更新)

http://www.modernlc.tsukuba.ac.jp/~ushiro/Publishing/SLAglossary.htm

基礎知識26 学習ストラテジー: http://iwatenihongo.blog50.fc2.com/blog-entry-51.html

Interlanguage fossilization: http://en.wikipedia.org/wiki/Interlanguage_fossilization

How Do You Deal With Fossilized Errors:

http://eltchat.com/2011/02/25/how-do-you-deal-with-fossilized-errors-and-help-students-improve-their-accuracy-eltchat-summary-23022011/

化石化について: http://www.kanjifumi.jp/keyword/ka/kasekika.htm